建物が老朽化している場合、外観や看板を工夫することで、印象を劇的に変えることができます。
今日は、その詳しい論理的な背景と、内装と外装どちらを優先的に取り組んだほうがよいかといった全体的な老朽化・経年劣化・古い見た目に対する対処法をお伝えします。
それとともに、よりわかりやすくするために、内科や外科、眼科などの一般医院、歯科などのクリニックの具体的な事例も交えて、解説して参ります。
経年劣化を考えるとき、内装と外装どちらを優先すべき?
業歴のある店舗や医院の場合、経年劣化の問題は避けて通れません。
10年を目安に店内や院内のデザインリフォームを検討されるところは多いかと思います。
内装デザインのリフォームを機に器具など諸々のリニューアルを行うと予算も相応にかかってしまいます。
そこで予算がつきて、外観・看板デザインなどはそのままというケースが圧倒的に多いのではないでしょうか。
確かに、内装デザインに比べて外観・看板デザインは既存の顧客や患者さんにとってはそんなに影響を与えないでしょう。
しかし新規顧客・新規患者の獲得を考えるなら外観・看板デザインを優先するべきかと思います。
業歴のある店舗や医院は顧客・患者基盤がありますのであまり集客・集患に目がいかないケースが多いかもしれません。しかし、やはり安定的・継続的な新規獲得はどんな業種にも必要かと思います。
経年劣化対策は新規顧客獲得の肝
新規顧客獲得の為の店舗・医院の外観・看板デザインにはいろいろな考え方があります。
その中で誰にもで訪れる経年劣化の問題は最も対策予算がかかるものです。
第一印象で建物の汚れが気になる程度まで老朽化が進んでいる場合は、看板デザインをキレイにするというのではなく、建物そのものの塗装する、また外壁材を利用したリフォーム・リノベーションをする事が最優先です。
外装は新規の方へイメージを作る
内装デザインさえ綺麗であれば問題ない!外観デザインと内装デザインにギャップがあった方がいい!と思う方もいるかもしれませんが、圧倒的大多数の消費者は第一印象が悪いことがかえって良い方向に動くというような事はありません。
初めて利用する人がそれらを感じるのはあくまで利用した後だからです。
ホームページなどでリニューアルしました!と綺麗なデザインの内装写真があれば気にならない人もいるかもしれません、
しかし、外観に汚れが目立ち、要するに外観イメージが悪い店舗や医院はサービス内容がどんなに優れていても、よいイメージをもって貰えないのが現実ではないでしょうか。
特に医療系では、外観は致命的な影響を及ぼす
特にメディカル業界の場合、外観が汚れていて古く、暗いデザインイメージを与えてしまうと、機器などまで古いのではないかと疑われてしまいます。
初めて利用する人のハードルが高い業種(大切な体の事を扱う医院、また身体を触る整骨院など)にとってこれは非常に重要な点だと思います。
的を絞った外観リニューアルで予算を抑える
ただ比較的安価な塗装をいう方法にしても建物が大きい場合などは、足場などが必要になり単なる補修だけでも数百万円かかってしまう事もあります。
そして、外観のデザインリノベーションに費やす予算がなくなってしまう場合があります。
このような場合は原点に立ち返って何の目的で外観・看板のデザインリノベーションを行うのかを考える必要があります。
新規顧客獲得の弊害となっている経年劣化の問題を解消したいのであれば、全てを塗装するのではなく、影響を与えている部分だけに絞り込みデザインリニューアルする方法もあります。
この場合はどこからどこまでを塗装するのか?にデザインセンスが必要となります。予算内で出来るだけと欲張らずにトータルデザインの中で領域を考えましょう。
経年劣化、老朽化は完全悪ではない!エイジングという考え方
建物の老朽化という言葉を聞くと全てが悪いイメージがしますが、建物のエイジングという考え方もあります。
建物のエイジングとは建物は経年により機能は低下するが、年月の経過に伴い景観的な質が向上する働きの事です。
全てが新しいことは良いのですが、これまでの業歴をしっかり表現する意味でも経年劣化した部分の中でも残す部分があっていいのではないでしょうか。
ポイントはそれらのものと新しく設置するデザインされたサインなどとの融合です。
これは非常にデザインセンスを問われる部分ですが、上手くデザインすることで新築より価値を生み出すことが出来るのできます。
ただこの考え方は紙一重です。
変な組み合わせをすると、悪いデザインによって老朽化した外観がより進行させてしまう恐れがありますので注意が必要です。
一般人から見た外観を意識するのがコツ
このケースの外観・看板デザインのコツは消費者の目線を考える事です。
当事者は色んな角度から建物デザインを眺めますが、一般的な通行人は当事者のような行動はとらず、ある程度決まった位置の決まった視界でしか、貴店・貴院の建物を見ていません。
その部分がどこなのかを見極めることで費用対効果の高い外観・看板デザインになるでしょう。
一般医院や歯科クリニックでの具体的な事例
ここからは、内科や外科、眼科などの一般医院、歯科などのクリニックの具体的な事例について簡単に解説していきます。
外観が老朽化している状況は、大きくわけて次の2つのパターンがあります。
- 新規開業するけれど、そもそもテナントビル自体が古い
- 開業してすでに年月が経過して外観が全体的に古い
このように、そもそもの建物が古い場合と、看板や外観が経年で老朽化している場合の2パターンに分けて解説していきます。
開業するにあたり借りたテナントビル自体が古い
看板のご依頼をいただく際に、契約されたテナントを拝見すると場所が良いところほど建物そのものが老朽化していたり、外壁のデザインが経年劣化している場合があります。
その際、建物はそのままで看板やその他の付帯設備を新たに設置することをご希望されるケースがあります。しかし、部分的に手を入れるよりも、外観すべてを看板と捉えてトータルで考えることをオススメしています。
テナント物件での外観の雰囲気づくりはとても重要で、第一印象が良い・記憶に残りやすい医院は信頼や安心感が生まれ、集患効果にも繋がります。
老朽化した外観の雰囲気を一掃させるデザイン
今回ご紹介するクリニック様は、道路に面し人通りが多い好立地な条件ではありますが、元々の壁面が格子状の古いデザインの物件で、所々に汚れや取付の跡が残っています。
そこで医院のコンセプトに基づいて、スタイリッシュで現代的なデザインをご提案致しました。
眼科高橋クリニック様・Before
眼科高橋クリニック様・After
ポイント1:外壁材(サイディング)を使った新たなデザイン
元々のイメージを変えるため、塗装で壁面を塗り替える場合もありますが、今回は外壁材(サイディング)を使ったデザインを行いました。
サイディングとは外壁素材の一種であり、セメント質と繊維質を主な原料とした外装材で、板状になっており、建物の骨格に合わせて壁に貼って使用します。
このように壁に表情をつけることで、一気に存在感が出て一目見ただけでも入りやすいな、と思わせることが可能です。
ポイント2:木目調のシート(ダイノック)と照明でワンランク上の外観へ
さらに、医院の顔となる、入口上部のサインにもご注目ください。
ここにも、他院や他店舗との差別化を図ったこだわりのあるデザインにチェンジしました。
木目の素材をリアルに印刷したこのシートを使うことで高級感や重厚感を感じさせることが出来ます。
その上からカルプ文字を使って、照明を当てると昼と夜とではスタイリッシュでありながらも、違う印象が生まれます。
この事例のように、物件自体が経過している場所であっても、外観看板に手を加えるだけで集患効果が得られます。
開院・開業を決める際は、人通りが多い、道路に面していて目に付きやすい等の立地条件を重視して前もってしっかりと調べることが必要です。
弊社では、数多くの立地条件に合わせて集患に最適な外装・看板デザインを考案し、それぞれの特性に合った看板デザインをご提案致します。下記のサイトをアクセスしていただくと、多数の事例をご覧いただけます↓↓↓
建物や外観、看板が経年劣化で老朽化している事例・1階の場合
建物が老朽化したことによって外観をリニューアルしようとお考えになられる方がいるかと思います。
その場合、元々ある店舗のイメージカラーを用いてリニューアルすることで消費者は新しい店舗に変わったとは思わず、リニューアルしてキレイになったなと感じてもらえるのです。
なぜなら消費者は色で店舗を認識することが多いからです。
そうすることで以前から利用してくれているお客様には安心して利用してもらえ、キレイになって存在感が出ると新規のお客様も取り込むことが出来るのです。
木村歯科クリニック様の事例
例えばこちらの歯科医院様の事例ですと、開業してから30年近く経ち外観が老朽化してきたのと医療法人化に伴って屋号が変わるタイミングで外観をリニューアルされました。
こちらの歯科医院様のようにマンションやテナントビルの1階に立地していて自由に改装していい場合は明るく存在感を出す為、壁面塗装などをしてもいいかと思います。
また、はっきりと屋号を建物の顔となる場所に設置することも必要となります。
Before・木村歯科クリニック様の事例
After・木村歯科クリニック様の事例
建物や外観、看板が経年劣化で老朽化している事例・2階の場合
次は、ビルの2階に立地する場合のガラス面シートのリニューアル事例をご紹介致します。
2階の店舗様の場合、無意識の通行人を振り向かせるのは難しいものです。
しかし例えばこちらの歯科医院様のように交通量が多く、見通しが良い立地の場合通行人の目に留まりやすいのでガラス面のデザインが重要になってきます。
Before・森田歯科様
こちらの歯科医院様はガラス面シートのデザインを30年程前にされたものでしたので少し古い印象を持ちます。そうすると消費者はパッと見た感じで最新の治療は受けられるのかな?などの印象を持ち不安を与えてしまいます。
こういった場合はイメージ写真などを取り入れた明るいデザインにすることで院をイメージすることができ、安心感を与えることができます。
After・森田歯科様
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